英語の名詞には、
・可算名詞(countable)…1つ、2つ、3つと数えられる名詞
・不可算名詞 (uncountable)…数えられない名詞
がありますが、
「あれ?この名詞は可算名詞と不可算名詞両方の意味があるの?」
「この単語って不可算名詞の意味があるのに、どうしてaがついてるの?」
と思ったことはありませんか?
coffee と a coffee
たとえば、
A coffee, please. (コーヒーを1杯ください。)
というような文です。
coffeeは、液体なので、基本的には不可算名詞として扱われます。
液体は、一定の形がないので、器に入れない限り「数えられない」からです。
では、この文章は間違いなのでしょうか?
じつは、coffeeの前にaをつけると、たちまちcoffeeに「形」が与えられ、「数えられる」可算名詞へと変身するのです。
ここでいう「形」というのは、コーヒーカップです。
そして、先ほどの文に戻りますが、
A coffee, please.(コーヒーを1杯ください。)
という文は、間違っているわけではなく、カフェやレストランなどでよく使われるフレーズです。
ちなみに、coffeeは、辞書で調べると、C(=countable)と、U(=uncountable)の両方が載っています。(U:コーヒー、コーヒー豆、コーヒー色 C=一杯のコーヒー、コーヒーノキ、コーヒーを楽しむ会)
さて、ここでaの力を説明すると、
aは、名詞に「具体的な形」を与える力をもっています。
ここでのポイントは、
数えられる名詞だからaがついているのではなく、
aがついたら数えられるものへと変身するということです。
もちろん、
Can I have a cup of coffee?(コーヒーを1杯いただけますか。)
aがついているときは、その名詞は「形」があるので、数えられるものとして考えます。
というように、
a cup of~(一杯の~)
という言い方もできます。
しかし、「単位や容器」などの単語を用いなくとも、aがあれば「具体的な形があるもの」だと思わせてくれるんです。
・I like strong coffee.(わたしは濃いコーヒーが好きです。)
・I ordered a coffee.(わたしは1杯のコーヒーを注文しました。)
・I ordered three coffees.(わたしはコーヒーを3杯注文しました。)
time と a time
time(時間)について考えていきましょう。
Time passes quickly.(時がたつのは早い。)
というように、このtimeは広い意味での「時間」なので数えられない不可算名詞です。
しかし、「一定の時間や期間」というような、時間を「区切って考える」ときには、
aをつかって、a timeとすることができます。
・Time flies.(時がたつのは早い。)
・I lived in Kochi for a time.(高知にはしばらくの間住んでいました。)
・I had a good time!(楽しかった!)
これは、過去から現在まで続く時間の一部をaが「区切って」、抜き出しているようにも考えられます。
まとめ
aには名詞に「形を与えたり」、名詞を「区切ったり」する力があります。
coffeeやtimeを紹介しましたが、ほかにもこの考え方に当てはまる名詞はたくさんあります。
たとえば…
・paper(紙)や a paper(1枚の紙、1つの新聞)
・gold(金)や a gold(1個の金メダル)
・stone(石材) や a stone(1個の石)
・beauty(美しさ)や a beauty(1人の美しい人)
などです。
aはほかにも、「丸々それごと」を表す力もあるので、それは別記事で紹介しています。
ぜひそちらもご覧ください^^
