LGBTQとは何かを知ろう~多様な性・配慮・対応を知ってALLY(アライ:LGBTQを理解する人)になる~

テーマは、「性の多様性を知ろう」です。

~知って、気づいて、考えて、行動しよう~(知らないからこそ偏見がある。)

LGBTと、よく耳にすることがありますよね。

最近では、Qもあって、LGBTQと言われています。

もっというと、海外では、LGBTQ+とも言われています。

まずは、LGBTQの確認をしておきましょう。

目次

LGBTQとは

◎L…Lesbian(レズビアン)

 →同性愛者:恋愛対象が同性という女性

◎G…Gay(ゲイ)

 →同性愛者:恋愛対象が同性という男性

◎B…Bisexual

 →両性愛者:恋愛対象が異性と同性という人

◎T…Transgender

 →生まれたときに法律的、社会的に割り当てられた性別にとらわれない性別のあり方を持つ人

◎Q…Questioning

 →分からない、揺れ動いている人

LGBTとは、性的少数派の連帯を表す言葉です。

最近では、自分の性が分からない、迷っているなどの人もいるので、Qがふえて、LGBTQと使われるようになりました。

海外では、LGBTQのほかにも多様な性があるよね、ということで+がついて、LGBTQ+と多く使われています。

しかし、これらのLGBTQ以外にも、多様なセクシュアリティがあります。

多様な性

Asexual:アセクシュアル(無性愛者)

Pansexual:パンセクシュアル(全性愛者)

Hetelosexual:ヘテロセクシュアル(異性愛者)

Xgender:エックスジェンダー(中性・両性・無性など)

Cisgender:シスジェンダー(思う性と体の性が同じ)

等があります。

LGBTQ以外の性を持つ人もいるということを知っておくことが大切です。

性のあり方

性のあり方は、4要素あります。

①からだの性

②思う性

③好きになる性

④表現する性(服装や見た目など)

性はこれらの4つの要素でも、「からだの性は男」というような、男と女の両極端に分けられるのではなく、グラデーションのようなものであり、人によって程度も様々です。

「男らしい」、「女らしい」は人によって違う価値観やイメージです。

なので、性を見た目などで判断してはいけません。

トランスジェンダーも十人十色

トランスジェンダーと聞くと、性別変える人のこと、とか、注射を打つ人のこと、などと思ってはいませんか?

トランスジェンダーといっても、ゴール地点は、人それぞれです。

1、病院に行かない

2、病院に行って診断をもらう

3、治療に進まない

4、治療に進む

5、手術はしない

6、手術をする

7、戸籍を変えない

8、戸籍を変える

実際に、戸籍を変える人は1割未満だそうです。

人によって、どこをゴールとするのかが違うので、周りの人は、トランスジェンダーの人について決めつけないようにしましょう。

日本のLGBTQ事情

LGBTQの人の割合

日本人に何人に一人の人が、LGBTQの人だと思いますか?

正解は、11人です。

日本人の11人に1人の割合で、LGBTQの人がいます。

  2012年    2015年    2016年(日本人人口1億2692万人)      
L: レズビアン      0.1%0.5%⇒63万5千人
G: ゲイ0.5%0.9%⇒114万2千人
B: バイセクシャル0.7%1.7%⇒215万8千人
T: トランスジェンダー4.1%0.7%⇒88万8千人
その他・選択肢なし3.8%⇒482万3千人
合計5.4%7.6%⇒964万6千人
(2018年電通ダイバーシティ・ラボ調べ)

日本だけで見ても、およそ965万人もの人がLGBTQです。

大阪府の人口が882万人、神奈川県の人口が約915万人なので、それら大都市の人口以上だということを考えれば、とても多い人数であることが分かります。

LGBTQの人に会ったことがないという人は、気づいていない・知らないだけで、実は出会ったことがある場合がほとんどです。

日本国憲法

日本国憲法は、同性婚を認めるも認めないもありません。

〈日本国憲法第24条〉

1、婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

2、配偶者の選択、財産権、相続、住宅の選定、離婚並びに婚姻および家族に関するその他の事項に間しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

このように、「両性」と書かれています。

「同性婚禁止ということは書いてないじゃないか」という意見もありますが、これに対して、安倍前首相は、

「現行憲法のもとでは、同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されておりません」

とのことです。

日本で同性婚を認めるようになるには、制度の確立が必要です。

日本の同性カップルの現状

日本でも、同性愛や同性カップルへの理解が進んでいますが、現状ではまだまだ困難や偏見、差別があります。

・就職を不当に断られたり、クビになることもある。

・同性カップルであることを理由に大家に入居を断られることもある。

・集中治療室に入れなかったりする。

・家族割引や企業の福利厚生(結婚お祝い金)の面で、不平等な扱いをされることがある。

・社会保障上の優遇措置適応がない。」

・保険金の受け取りが認められない場合がある。

・配偶者控除が受けられない。

・公営住宅等への家賃補助も受けられないこともある。

・医療機関で、家族としての同意書のサインができない。告知も聞けない。

このコロナ禍においても、様々な課題が浮き彫りになっていると言えます。

進むパートナーシップ制度

性的マイノリティーのカップルを公的に認める「パートナーシップ制度」が日本全国で拡大しています。

パートナーシップ制度は、2015年に東京都渋谷区が国内の自治体で初めて導入しました。

現在、51の自治体で、1052組のカップルが登録しています。(2020年6月30日までの交付分)

登録すると、証明書とカードが交付され、病院などで家族として認められるようになります。

しかし、結婚は認められていません。

世界の同性愛・同性婚

同性愛の歴史

1973年に、アメリカ精神医学会が「同性愛は病気ではない」と公式に認めました。

1990年には、世界保健機関(WHO)が「同性愛はいかなる意味でも治療の対象にならない」としました。

日本での公式医学的見解も「同性愛は精神疾患ではない」というものであり、厚生労働省もこの見解を採用しています。

世界の同性婚

先進国を中心に、世界では同性婚を認める国が増えていています。

アジアでは、2019年に台湾が最初に同性婚を認めました。

1番目:オランダ(2001年)

2番目:ベルギー(2003年)

3番目:スペイン(2005年)

4番目:カナダ(2005年)

5番目:南アフリカ(2006年)

6番目:ノルウェー(2009年)

7番目:スウェーデン(2009年)

8番目:ポルトガル(2010年)

9番目:アイスランド(2010年)

10番目:アルゼンチン(2010年)

26番目:台湾(2019年)★アジア初

27番目:エクアドル(2019年)

28番目:コスタリカ(2020年)★中米初

世界初のオランダは、今から約20年前に同性婚を認めています。まだまだそのような変化の見られない日本からすると、すごいですよね。

また、同性婚が認められた国では、同性カップルの自殺率が46%も減少しているというデータもあります。(学術誌「Epidemiology and Community Health(疫学と地域保健)」に掲載された論文より)

ALLY(アライ)になろう

「ALLY(アライ)」とは、LGBTQに理解・支援する人のことを言います。

ALLYになるために、気を付けておかなければならないことがあるので確認しましょう。

配慮が必要な言葉・考え方

・「ホモ」、「おかま」、「レズ」、「オネエ」、「そっち系?」

などという言葉は、ノリや何気なく使ってしまうことがあるかもしれません。

これらの言葉で人を傷つけてしまうこともあるので、簡単に口に出さないようにしましょう。

・〝異性を好きになるのが当たり前”という固定概念

 →この固定概念はなくした方がいいです。

・「男子同士で~するのはおかしい」、「女子同士で~するのはおかしい」という考え

 →同性が好きな人もいるので、気を付けましょう。

・「彼氏は?」、「彼女は?」

 →異性が好きだという固定概念から生まれる言葉です。聞きたいときは、「好きな人いないの?」 や、「パートナーはいないの?」などとするのが良い聞き方です。

・「普通」

 →あらゆる場面で、普通という言葉は配慮が必要になります。

これらがすべてではない上、嫌ではないと思っている人もいます。

ですが、傷ついてしまう人もいますので、気を付けるようにしましょう。

カミングアウトしやすい人とは

LGBTQの人は、自分の性を相手に伝えるとき、その相手を選んで話す人が多いです。

カミングアウトしやすい人とは、

・LGBTQの人のことを肯定的に話している人

・相手の話に傾聴できる人

・男はこうだ!女はこうだ!と言わない人

・ALLYであることを可視化・公表している人

・レインボーの物を身に着けている人

・SNSで発信している人

カミングアウトされた場合の対応

では、もしあなたがカミングアウトされたらどうすればよいのでしょうか。

1、言ってくれたことへの感謝・認める言葉がけ

まずは、「教えてくれてありがとう」と、言ってくれたことへの感謝の気持ちを伝えます。

否定しないで、聞いてあげるようにします。「おかしいかな?」と不安な状態で聞いてくる場合もあるので、「そのままのあなたでいい」ということを伝えましょう。

2、話をしっかり聞く

決めつけたり、他のLGBTQの人と比べたりすることなく、その人の話をしっかり聞きましょう。

3、困っていること・できることを確認する

相手に何か困っていることがないか聞きましょう。

そして、「自分にできることがあればするよ」と力になるということを伝えましょう。

4、アウティングしないことを約束する

他の人には絶対に勝手に話さないからと安心させてあげましょう。

※アウティングは絶対にしてはいけません。

アウティングとは、他者にバラすということです。アウティングをされたことにより自殺してしまうケースもあります。

LGBTQフレンドリー企業

LGBTQフレンドリー企業とは、同性パートナーを認めていたり、性自認に合ったトイレや更衣室が使える企業のことです。

同性パートナーシップ証明書などがあれば、住宅ローンで同性パートナーの家具や財産も補償に含めることを認めてる企業もあります。

・スターバックスコーヒージャパン株式会社

・富士通株式会社

・日本マイクロソフト株式会社

・日本航空株式会社

・サントリーホールディングス株式会社

・株式会社三菱東京UFJ銀行

などの企業がLGBTQフレンドリー企業です。他にもたくさんあります!年々増加しています。

おわりに

みなさんいは、それぞれ持っている価値観・固定概念があります。

自分の当たり前は、みんなの当たり前ではありません。

自分たちもALLYになって、人権が守られる社会づくりの一員になりましょう。

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